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園のブログ

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タマムシ

2024-06-20
タマムシが幼稚園や大行寺境内で顔を覗かせています。
美しい翅の色にお子さまたちも釘づけです。

四季の移ろいの中に美の心を生み出した様々な伝統色。
日本では古来より暮らしの中に多彩な色合いを取り入れ、繊細な色の世界を見出し、その豊かな情趣を愛でてきました。

それらは多くの絵画、染織物、陶芸、詩歌、文学として、生活や文化の中に深く息づいています。
例えば、平安の女性達の聡明で繊細な感性が産み出した重かさね装束の配色美、中世の武家社会に見られる質実剛健さ、戦国武将達の極彩色に満ちた綺羅きらびやかな彩、山紫水明との調和を求めた閑寂な風流、そして、侘び・寂びの世界などなど。

タマムシのこの深い緑色の羽は、光線の具合によって金属的な「緑」から「紫」に輝いて見え、その多彩で複雑な色調を「玉虫色」、あるいは「虫襖(むしあお)」とも呼びます。

国宝「玉虫厨子」(たまむしのずし)に代表されるように、
古来から日本人の心を惹きつけてきたこと、この翅の色やお子さまたちの反応を見ていると納得します。
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