本文へ移動

園のブログ

ブログ

笹もやし

2024-07-17
本日は、七夕の伝統行事である「笹燃やし」についてご紹介いたします。
この行事にはどのような意味が込められているのか、ご存知でしょうか?
実は、この風習には中国の道教の教えが関係しています。

道教では、願いを書いたものを燃やすことで、火によって浄化され、その煙が天へと上り、神様に願いを届けるとされています。
つまり、七夕の短冊に書かれた願い事を笹に吊るし、それを燃やすことで、書かれた願い事が天界の神様へ届くという意味合いがあるのです。

この風習は、神社仏閣などで行われるお守りやお札のお焚き上げとも似ています。
お焚き上げも、炎で浄化した後、天へとお返しするという意味を持っています。
燃やすことで浄化し、神様へお返しするという考え方は、日本の様々な行事にも共通しています。

また、日本では地域によって、七夕の短冊を笹や短冊単体を川へ流す風習もあります。
しかし、現在では環境破壊の問題が指摘されており、燃やすという行為に変わった場所もあります。川へ流す風習は、海の神様である海神(わだつみ)に願いを届ける意味がありますが、環境に配慮した形で願いを届ける方法に変わってきています。
もしお子さんから「なんで笹や短冊を燃やすの?」と聞かれたら、「神様に短冊に書いた願い事を届けるためだよ」と教えてあげると良いでしょう。こうした伝統行事を通じて、子どもたちにも日本の文化や風習について知ってもらう良い機会になりますね。

青森ねぶた祭は、七夕祭りやお盆の灯籠流しの変形であろうといわれていますが、その起源は定かではありません。
七夕とお盆の関係性はこれまでもブログで紹介してきました。
奈良時代(710年~794年)に中国から渡来した「七夕祭」と、古来から津軽にあった習俗と精霊送り、人形、虫送り等の行事が一体化して、紙と竹、ローソクが普及されると灯籠となり、それが変化して人形、扇ねぶたになったと考えられています。
初期のねぶたの形態は「七夕祭」であったのでしょう。
そこに登場する練り物の中心が「ねぶた」と呼ばれる「灯籠」であり、七夕祭は7月7日の夜に穢れ(けがれ)を川や海に流す、禊(みぞぎ)の行事として灯籠を流して無病息災を祈りました。
これが「ねぶた流し」と呼ばれ、現在の青森ねぶたの海上運行に表れています。

現代では環境問題にも配慮しつつ、伝統を守り続けています。これからも、こうした行事を通じて、皆さんと共に日本の文化を大切にしていきたいと思います。


七夕の夜、皆さんの願いが神様に届きますように!
TOPへ戻る